【アルケミスト双書】タロットの美術史3 皇帝・教皇
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大好評シリーズ「アルケミスト双書」から『タロットの美術史』篇が登場!
15世紀のイタリアで誕生し、現代の人々を魅了し続けるタロット。多彩なイメージとともに、その源流をたどる唯一無二のシリーズ。
著者は占星術研究家で翻訳家の鏡リュウジ氏。
■著者・鏡リュウジより
タロット——この言葉にはどこか妖しく人を惹きつける響きがある。
現在の実証的な研究により、15世紀半ばのイタリアで貴族の遊戯用カードとして生まれたことがはっきりした今もなお、タロットが放つ魅力は翳りを見せない。
本シリーズは大アルカナと呼ばれる切札の源流をたどり、その元型的な広がりを感じられる絵画作品にリンクを見出し、読者をイメージの旅へと案内しようとするものである。
タロットが一葉一葉に引き離された頁でありながら、1パックで1冊の本であるのと同じように、本シリーズは、1冊1冊が1枚の札であるのだ。
■ 本シリーズの特徴
・大アルカナを2枚1冊で解説
・1巻あたり約40枚の貴重なタロットを収録
・古代から現代までの多彩な図像を紹介
・コンパクトで瀟洒な造本
・ゲームや漫画他、創作のための資料としても
・〈特集1〉夢然堂「マルセイユ版タロットの世界」
・〈特集2〉千田歌秋「近現代絵画に見るタロット」
■出版元:創元社
■サイズ:B6判変型 175mm × 148mm 64頁
■生産地:日本
■素材・成分:紙
■製造年:2024
■シリーズ
*第1期(2024年1月刊行)
〈1〉愚者・奇術師〈2〉女教皇・女帝〈3〉皇帝・教皇
*第2期(2024年3月刊行予定)
〈4〉恋人・戦車〈5〉正義・隠者〈6〉運命の輪・力
*第3期(2024年5月刊行予定)
〈7〉吊られた男・死神〈8〉節制・悪魔〈9〉塔・星
*第4期(2024年7月刊行予定)
〈10〉月・太陽〈11〉審判・世界〈12〉小アルカナ
■まえがき 〈3〉皇帝・教皇
秘教や神話の伝統では人は二重の生命を持つと考えている。
ひとつは大地から生まれたこの物質としての肉体としての生命。そしてもうひとつは星の世界からやってきた霊的な生命。
15世紀のフィレンツェで活躍した哲学者にして占星術師、そして何よりも医師であったマルシリオ・フィチーノは自らを肉体のみならず「魂の」医師でもあったと述べたというが、その背景にはこの思想が反映されていたのかもしれない。
伝統的な西洋社会における世俗の権力と精神的な権力の二重性もこの背景を考えると理解しやすくなるかもしれない。
人には2人の大いなる「父」が存在する。
ひとりはこの世俗の社会における統治者「皇帝」(王)であり、もうひとりは霊的権威者としての「教皇(パパ)」である。
そしてこの2人はタロットの札の中で強くその存在感を放っている。
「皇帝」と「教皇」はそれぞれのかたちで人々を導き、統治する。
彼らは社会の「現実」としても、あるいは一人ひとりの内的世界にも存在する。
僕たちは彼らといかに対峙していくことができるだろうか。
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